その鎖で縛りつけて

「祐樹様、それはできかねます」


え、この声は……


「…中川さん?」


「何言ってるんだよ、中川
要に何を言われたの?」


「それにはお答え致しません
…詩織様、こちらへ」


中川さんは祐樹さんの車の前で、手を出して待っている


「中川さん、それは要さんに言われてやっているのですか?」


「いえ、私の意思でもあります」


中川さんの顔はいたって真面目だ


「要様に言われてここまで来ましたが、私は詩織様に来てほしいと
心から思っております」



「別に今日一日くらい、詩織ちゃんといてもいいんじゃない?
要のものじゃないんだし」


「たしかに、要様の行動は理解しかねることもありますが
それでも詩織様を大事に想っています

詩織様、戻りましょう」



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