愛を欲しがる優しい獣
第6章
私達が連れだって向かったのは、3つ隣の駅にある大型のトイストアだった。
3階建の店舗の中では赤ん坊から小学校高学年向けのものまで、多種多様なおもちゃが販売されている。
休日の今日は、フロアの至る所で子供達が展示されているおもちゃで遊んでいた。
子供にとってはまるで天国のような場所だ。
流行のおもちゃを憧れの眼差しで見つめる姿に思わず目を細める。
……まあ、大人の鈴木くんにとっても天国のような場所であるわけだが。
「これが良いんじゃないかな?」
鈴木くんは店内に入るやいなや、目を輝かせておもちゃを選び始めた。
(それは鈴木くんが欲しいものなんじゃ……)
鈴木くんが持ってくるのはどれもセカイジャーグッズばかりだった。