愛を欲しがる優しい獣
(迎えに来てよかった……)
性質の悪い連中に絡まれていたら、このままお持ち帰りされていたかもしれない。
役得だ、と思いながら彼女の腰に手を回す。
酔っているからなのか、信頼しているからなのか。素直に身を預けてくるから、それはそれで気が気でない。
アルコールに混じった香水の香りと、シャツの隙間からチラチラと見える胸元のせいで頭がおかしくなりそうだった。
他の男にもこんな無防備な姿を見せていたのかと思うと、醜い嫉妬心が芽生える。
「合コン楽しかった……?」
つい、口に出した後でしまったと思った。これではまるで責めているようではないか。
恋人でもないくせに何を言っているのだと、自分で自分をなじりたくなった。