ストーンメルテッド ~失われた力~
エンデュは、まだ日が沈み始めたばかりの輝く太陽というか夕日というか、どちらにしても美しいが、その時刻、ただ......歩きながら考え込んでいた。
納得がいかない。
何故、俺が......俺がそんな力を持つ資格がある?
家族も友人も、多分恋人であろう者も俺は知らない。
......思い出せない。
こんな、俺が何故だ?
何故、そんな力を持つ資格がある?
エンデュは自問自答を繰り返した。
「私には、自問自答しているように見えるが......」
あいつの声が聞こえてきて、心は僅かに安心した。
振り向くと、やはりそれはイヴだった。
「太陽と夕日の狭間を見物していた所だが、まさかこんな場所を汝も歩くとはな。......自問自答は、自分を敵にしたような物だ。やめなさい」
「......」
しかし、黙ってエンデュは踵を返し自宅へ向かい歩き出した。
その後を追うかのように、イヴも歩き出した。