ストーンメルテッド ~失われた力~
「なぁ、隼人」
力強く背をたたき、そう言ったのは古賀 涼太郎だ。
カゲンがあの時、隼人を救い、古賀を恐怖に陥らせてくれたかいがあり、古賀はその日、その次の日、深く反省をした。
そうして、ある日、反省をした古賀は隼人に態度は微妙だったが一応は謝ったのだ。
なんて、単純な人なのか......とその時、隼人は心してそう思った。
その内、二人にはどういう訳がいつの間にやら絆が生まれ、虐めっ子、虐められっ子は親友の中に変わっていったのである。
「明日の試合に備えてるぞ」
「そうだな」
そして、二人は拳と拳を長時間もぶつけ合った。
二人は、普段、会話をあまり交わさない代わり、ジェスチャーや、背を叩いたり、拳と拳をぶつけ合ったりしていた。
周囲の部員たちは、その二人を見ては呆れていた。
「おい、またやってるぞ」
「勘弁してくれよな......。古賀も終わったな」
「それ、言えてる」
そんな声が聞こえても、耐えることが出来るのが、隼人であり、気にしないのが、古賀なのだ。