ストーンメルテッド ~失われた力~
「そこを、真っ直ぐ通っていけば......」
「分かってるよ。......ありがとう、ジュノさん」
「えぇ」
すると、奇妙なトンネルを彼はウズウズともせず、ぐんぐんと進んで行った。
すると、丁度足音が聞こえてジュノは振り向いた。
「間に合ったか?」
「カゲン、彼はぐんぐんと進んで行ったわ。このトンネルにこれっぽっちも怯えなかった。......流石ね」
「そうか、良かった」
ふと、エンデュは二人の背中をポンと押すと見えない傘が二人に装着され、雨は妨げた。
「............風邪を引く前に、戻ろう」
「えぇ」
「あぁ」
二人は、同時に声を揃えた。
町に戻ると突然、何かに怯えるようにフェニックスは何処かへ飛び立って行った。
すると、アムール城に仕える蛇神のダが、三人を見つけるなり、こちらへ向かって来た。
ダは、地球7000週の長さをもつ巨大な蛇神で大地を支えている。
その為、アムールで一際目立つその巨大のお陰で返ってダを目にした神々はヴィーナス女王に仕える神であるため、思わずドキッとしてしまったり、話し掛けられる神がいれば思わず見入ってしまう程の存在であった。
周囲にいる神々が、こちらを見詰めてくる視線を三人は痛いほど感じた。
ダは、言う。
「カゲン殿だな。ヴィーナス女王が城でお待ちであるぞ。今すぐに、会って話したい事があるとの事でござった」
......“ ゴクン ”。
三人は、同時に唾を飲んだ。