ストーンメルテッド ~失われた力~
カゲンが部屋から出て来るのを見るなり、疲れて床に座っていたジュノは言った。

「待ちくたびれたわ。一体、何時間待たせるのよ」

「10分だ」

エンデュは言った。

「え、あぁ、そうなの」

そう言うと、ジュノは立ち上がった。

「罰はゆるくて済むって聞いて安心したよ。罰があるのは、明日だ」

「ゆるいって......ヴィーナス女王のゆるいは、極々辛い内の下から5番目だ。よーく、用心した方が身のためだぞ」

「エンデュ、怖がらせてどうするのよ」

「本当だよ......。楽しみに待っていなさい、だって? どう、楽しみに待つんだよ......」

グチグチ言いながら、カゲンは二人と城を出た。
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