ストーンメルテッド ~失われた力~


......ギーッ。


扉の開く音だった。

「......早かったな」

二人は、笑顔で彼を出迎えた。

カゲンは、いつもと少し違ったジュノの部屋を見渡す。

ガラスの瓶の中に入ってある、妖精が楽しそうに踊っている。

そのとなりにある、瓶の中の何者かの目玉、三つは瞬きをしたり、何処かへ視線を向けて目玉をキョロキョロとさせていた。

「どうしたんだよ、こいつら。だって、死んだんだろう?」

「あぁ、そうだ。妖精の死体に残されている心臓を抜き取って、目玉は血管を無くした。そして、フェニックスの血を射つんだ。......暇だったから、ちょっとだけ遊んでみたよ。......面白いだろう?」

「要するに、ゾンビよ」

「..................ぎゃー!!」

カゲンの声は、外まで響きわたった。

「カゲン......女の子みたい」

「ふはは、もろに信じてるぞ......」

二人は、顔を見合わせるとニヤニヤと笑った。

「カゲーン? よく見てて......」

そう、ジュノは言うと瓶が置かれる棚へ指さした。

「え......?」

そうして、カゲンは瓶の中にいる妖精を見詰めた。
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