檸檬-レモン-
仕事が忙しいを理由に、コンビニで買ってきたお弁当を食べている時インターホンが鳴った。
一人暮らしをしているマンションを訪ねてくるなんて、だいたい勧誘かセールスだ。
何て断ろうか、唐揚げを頬張りながら仕方なくモニターを覗く。
そこには戸惑いながら瞳を揺らす若い男性が立っていた。
「…はい」
通話を押して応答する。
かえってスーツではなく私服なのが怪しいと思ったけれど。
「あ…初めまして。引っ越しの挨拶で来ました…」
あー…そう言えば最近引っ越し業者が下の階に来ていたっけな。
「ちょっと待ってください、開けます」
一度玄関にある鏡で自分を確認する。
ダサい部屋着なのはもう仕方ない。
「はい」
しかし、ドアを開けて後悔した。
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