檸檬-レモン-



少しでも期待した私が馬鹿だった。

恥ずかしすぎる。



「ちょ、ちょっと待って?確かにさ、早苗も彼氏募集中だけどさ。ほら、見て!ここに!こんなに近くにいるじゃないか!」



「あのな、胡桃沢みたいな干物女紹介したらそれこそ可哀想だろ!」


「キーっ!じゃあ何で土曜日暇なのかあたしに聞くんだよ! 」


早苗に直接交渉すればいいじゃん、バカ野郎。

そしてなかなかのダメージ。

可哀想、干物女…


山口は困った顔をして、項垂れる。


「友達が極度の人見知りなんだよ。だから俺も行かなきゃなんなくてさ」

「てか、友達の心配してないで自分の心配したら?」


あーあ、可愛くない女って本当自分でも思う。



「うるさい。俺は今仕事に専念したいんだよ。それより頼むよ、土曜日。どうせ暇だろ?」


どうせ暇な私は、仕方なく山口の友達に早苗を紹介しよう作戦に巻き込まれた。



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