檸檬-レモン-
「早苗、絶対良いと思うんだけどな2人」
あれだけ『山口くんイケメン!早苗大好き~!』って騒いでいた早苗に、勧められるのはすごく複雑というか…
「あのさ、あたし山口とはただの友達だよ?」
「早苗は、男女の友情ないと思ってるもん。自分では友達だって思っていても、実は下心があったり…その逆だってあるし」
「ないない!あり得ない!仲良いけどさ」
仮に山口が私に下心なんて持っていたら…
いや、想像すらつかない。
だって、本当に友達だから。仕事仲間だから。
そんな感情、全くないんだ。
今週の土曜日、花火大会に行くけども。
面倒だから早苗には言わないでおこう。
レモンがかかった豚カツは、酸っぱくて喉の奥がキュッとする。
刺激が欲しい、そう思ったのは確か。
何の変哲もない毎日に、目が覚めるような刺激が。
私だって、恋したい。
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