じぶんいろ
中村結 苗字が[ナ]行だから出席番号は遅い方
笑い声は後ろの方からした。
[ナ]行以降の人かぁ。
校長先生のスピーチが長すぎて、
普段なら考えもしないようなどうでもいい事を永遠ループに考えていた。
案の定、誰一人特定なんて出来ず
考える事に飽きた頃、クオリティーを磨いて欲しい我が校の校長先生の話が終わった
全校朝礼が終わった直後
由紀は優(兄)に走って会いに行った。
優を見た瞬間、彼女の顔になり女の顔になった
「優~くん♡今日家に行きたいぃ(*^^*)」
デレデレの由紀とは対比的に優は
「無理。今日忙しいから」
一気に落胆する由紀は負けじと
「なら明日♡記念日だよぉ?いいでしょぉ?」
「ん。また連絡する」
…
教室に戻った由紀は教科書のデザインの一点を見つめながらボッーとしていた。
いつもの事だと思って馴れているから大丈夫と態度では示しては居るものの
話し出す声のトーンがどこか淋しいようないつもの陽気な由紀の声ではなかった。
「優くん…冷たい。」
言葉とは裏腹に強がっているよな口調に結は聞こえた。