ヘタレ彼氏と甘い嘘。
『そうだね。嬉しいよ。』
そう言って一口コーヒーを飲むと、いきなり凛斗の顔が厳しくなった。
『……つかさ。ひとつだけ、ひとつだけお願いだ。』
『え?』
『香乃と付き合う。それはかなり大変な事だと思う。いや、そうなんだ。
……それでもそれを受け入れ、香乃が辛いときには隣にいて、楽しい時も隣にいてやってくれ。お願いだ。』
そしてペコリとお辞儀をする。
急に改められたので、こちらが緊張してしまう。
『うん、もちろん……大切にしたいと思ってるし、隣にいるつもりだけど……』
そう言うと、
ならいいんだよ。と再びさっきの笑顔を向けた。
凛斗の言った意味がよくわからなかったが、のちのち分かることだろう。
なにか問題があるなら二人で解決していければいい。
……自分で言っていて恥ずかしいけれど。
『でもよぉー……なんでよりによって俺じゃなくてつかさなんだ……?』
……本当の本当に失礼な。
『でも、凛斗には梓ちゃんがいるじゃないか。』
『そうなんだよ~やっぱり、梓は世界一だわ』
凛斗と彼女の梓ちゃんは、
付き合って5年になるが、未だにラブラブ。
コーヒーがないと見ていられないような、甘々カップル。
正直、こうはなりたくない