性悪男とわたしの2日間
体勢を崩して、二人とも前へ倒れた。
彼が空いているもう一方の手を廊下につけ、私を支えてくれたので怪我はなかった。
なにこの情景
まるで、カメの上にカメが乗っているような……
そして、ハッと思い出す。
手……
私は彼を振り払って、逃げ出した。
そのまま、教室へと直行。
扉を開けると、HRはもう終わったようでガヤガヤしていた。
「凛音。おはよう!今日、遅かったね~顔、赤いけど大丈夫?」
「うん」
友達に一言だけ返すと、すぐに自分の席へついて机の上にうつ伏せになった。
事故だけど、触られた。
よりによって、今日!!
しかも、あの生徒会長だし……
地味に涙が目に溜まってきた。
恥ずかしいのとショックなのと色々な感情がごちゃ混ぜになる。
その感情を引きずったまま、私は授業を受けたのだった。