性悪男とわたしの2日間
「もしかして、さつきさんの仕事だったの?」
「あぁ。あいつ今日休みやがったんだよ。まったく!」
意外だ。
司と同類だとは思えないんだけど
実は、ここはそういう人たちの集まりなのかもしれない。
実際に生徒会の役員は、この鬼会長の独断によって決められるわけだし。
「ほら!もう帰るぞ。あとは家でやるから」
さっと、分厚いプリントを鞄に入れ込む。
気がつけば、窓から見える空がもうオレンジ色になっていた。
生徒会室の鍵を返してから、二人して下校した。
もう最終下校の時間だから、ほとんど人にすれ違うことはなかった。
生徒会長と並んで歩くなんて、なんか不思議だ。
「あっ、私こっちの道だから」
「俺の家こっち」
「じゃあ、バイバイ」
歩こうとしたら腕を取られた。
「家でやるっつったろ?」
「司くん、やってくれるんじゃないの?」
「誰が他人の仕事までやるか、アホ!」
嘘だぁ……
仕方なくトボトボと司の後ろをついていった。