先生って呼ばないで ~ボクはキミのもの~
クリスマスパーティ当日。
貸し切りにしてあるカフェ&バーのお店は、小さなログハウスみたいな作りで可愛らしい感じだった。
時間よりは少し早めに着いたのに、もう大勢集まっているのが店の外からでも分かる。
「あ、結衣!久しぶり〜」
今回の幹事をしてくれている陽子ちゃんが、入り口で私を見つけて笑顔で手を振る。
「陽子ちゃん久しぶり〜!」
手を振り返す私を見て、キョロキョロ辺りを見回す陽子ちゃん。
どうしたの、と首を傾げると、
「いや、瀬里菜一緒じゃないのかなって。
いっつも2人一緒だったからさ!」
ドキッとした。
鼓動が早くなっていくのを感じる。
ということは、瀬里菜は来るのか。
今日は一緒じゃないんだー、と曖昧に笑って誤魔化して、私は店の中に入る。
暖かい空気と一緒に、すでに盛り上がり始めているみんなの騒ぐ声が、一斉に降ってきた。