先生って呼ばないで ~ボクはキミのもの~
Lesson 1.
「ごめん、結衣…
あたし田崎くんと付き合ってる」
泣きそうな、申し訳なさそうな顔の親友。
夕食時で賑わうファミレス。
美味しく食べていたプリンに刺さったスプーンが、虚しく音を立ててお皿に落ちた。
みたいだった。
けど、私の耳には入ってこなくて。
あんなにうるさかったファミレスの雑音も聞こえない。
"付き合ってる"
親友のその言葉を理解するのに、そんなに時間はかからなかった。
あーやっぱりな、と。
不思議と冷静な私もいた。
どんな顔をしてたのか、今でも分からないけど、絞り出した声は掠れていて…
「そっかー。」
そう言うのが精一杯だったんだ…