先生って呼ばないで ~ボクはキミのもの~
Lesson 3.
椎名先生は、私たちのクラスで初めて授業をした日。
黒板にアドレスを書いた。
先生のメールアドレスを。
授業のことでもそれ以外のことでも、自分で良ければ何でも話しを聞きますから。
何かあったらこのアドレスにメールして下さいね。
あの穏やかな声音でそう言って、微笑んだのだった。
だから、私は先生のアドレスを知っている。
実際、高校進学前に相談メールを送ったことがあるし、友達も何人か、恋愛相談とかしたことがあると言っていた。
先生に恋愛相談…なんて聞くと笑えてしまうけど。
椎名先生は、それをさせてしまう何か特別な雰囲気があった。
相談したくなるタイプの先生なのだ。