先生って呼ばないで ~ボクはキミのもの~





聴き覚えのあるその声に、振り返るとそこに居たのは。



「椎名先生⁉︎」




いつものように、細身のコートを着こなす椎名先生だった。





「ものすごく唸ってたけど?」



と、笑っている先生に、聞かれてた恥ずかしさやら何やらで、顔が熱い。


きっと今私の顔は真っ赤だ。




「喧嘩売ってた訳じゃないです!
肉まんを買うか買わないかすごく悩んでて…」




言ってて余計に恥ずかしくなる。



唸るほど悩むなら買えば良かったのに、私!




「うん、喧嘩売ってたかは冗談なんだけど(笑)
そんな食べたかったの?」



唸るほど?と笑っている先生。




「肉まん好きなんです。
でも、おにぎりも捨てがたくて、どっちにしようかと思って。」


「でも、やっぱりおにぎりにします!」




恥ずかしさを隠すようにそそくさとレジに進んだ。





先生も隣でレジを済ませているようだったけど、恥ずかしくて隣は見れなかった。





< 30 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop