先生って呼ばないで ~ボクはキミのもの~
聴き覚えのあるその声に、振り返るとそこに居たのは。
「椎名先生⁉︎」
いつものように、細身のコートを着こなす椎名先生だった。
「ものすごく唸ってたけど?」
と、笑っている先生に、聞かれてた恥ずかしさやら何やらで、顔が熱い。
きっと今私の顔は真っ赤だ。
「喧嘩売ってた訳じゃないです!
肉まんを買うか買わないかすごく悩んでて…」
言ってて余計に恥ずかしくなる。
唸るほど悩むなら買えば良かったのに、私!
「うん、喧嘩売ってたかは冗談なんだけど(笑)
そんな食べたかったの?」
唸るほど?と笑っている先生。
「肉まん好きなんです。
でも、おにぎりも捨てがたくて、どっちにしようかと思って。」
「でも、やっぱりおにぎりにします!」
恥ずかしさを隠すようにそそくさとレジに進んだ。
先生も隣でレジを済ませているようだったけど、恥ずかしくて隣は見れなかった。