先生って呼ばないで ~ボクはキミのもの~
落ち着いた優しい声が聞こえた。
声のした方へ顔を上げると、声の主は片手を挙げて微笑みながらこちらに歩いてきていた。
「先生!私も今来た所だったので全然大丈夫です!」
「そっか、良かった。
車を停める駐車場探してたら道分からなくなっちゃってね。」
遅くなっちゃった、ゴメン。と言う先生。
この間の同窓会の時も、道分からなかったって言ってたけど、もしかして先生って方向音痴?
そんな失礼なことを少しだけ考えて、クスッと笑ってしまった。
「ここから会場まで近いし、歩いて行こうか」
先生の問いかけに、はいっ!と返事をして、並んで歩き始める。