先生って呼ばないで ~ボクはキミのもの~
好きだった。
いつからか、なんて分からない。
気がついたら、頭の中は彼のことでいっぱいで。
他の女の子に優しくしてる姿を見る度に、胸がキリキリと締め付けられるようだった。
初めて、独占欲というものを知った恋だった。
そんな私の恋を、瀬里菜は応援してくれてた。
はずだった。のに。
どうして…?
その言葉は、寸前の所で出てこなかった。
何故だか責めることも出来なくて。
あの日、私はあの場所から、
瀬里菜と目も合わさずに、作り笑顔満載であの場を後にした。
瀬里菜が私を呼び止める声がした気がしたけど。
とても後ろは振り返られなかった。