先生って呼ばないで ~ボクはキミのもの~
ダメ、泣きそう。
唇を強く噛んで、手のひらをギュッと握る。
どうして話しかけるの?
普通に友だちとしてやっていきたいって。
そんな残酷なことを望んでいるの?
私がいたかったあの人の隣で、あなたが笑っているんでしょう?
ぐるぐる、ぐるぐる。
考えても仕方ない黒い黒い感情が、胸をいっぱいにする。
嫌だ。こんなこと思いたくないのに。
自分がどんどん醜くなっていく。
"早く別れちゃってよ"
黒い感情がどんどん私の心を支配していく。
私はイヤホンで大好きな音楽を聴きながら、そっと息を吐いた。
少し落ち着いた。
ポケットから携帯を取り出し、メールをポチポチと打つ。
送信相手は……
瀬里菜。