月のセレナーデ

空が青い。


昨日はあんなに雨が降っていたのに、今日は嘘みたいに晴れて、切り裂いたような雲が幾筋か走っているだけだ。


朝の冷たく心地よい風が頬を撫でると、さあ、と空の青に溶け込んでいった。


私もその空に溶け込んでしまいたかった。
溶けて、何もかも忘れたかった。




胸に埋め込まれた、鉛のような深い哀しみと共に…
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