声をくれた君に
学校に着くと、掲示板の前に人だかりができていた。
「結構緊張してきたかも…」
「変な期待はするなよ」
「あ、そうだったそうだった」
(とは言いつつ、やっぱりどこかで期待しちゃう…
悠梓くんと同じクラスだったらいいな)
私たちは人ごみをかき分け、掲示板に近づいた。
「1組は…ちがう。
2組も、3組も、うーん、ないな…
4組、5組…!」
私は5組の名簿を見た後、悠梓くんの元へ駆けつけた。
「悠梓くん、悠梓くん!」
「あんた、その顔、まさか…」
「同じクラスだった…!」
「本当か?!」
「うんっ!」
「…やばい、これは想像以上に嬉しい」
悠梓くんは、私にぎゅっと抱きついた。
「ゆ、悠梓くん?!
みんなに見られちゃうよ!」
「大丈夫、みんな掲示板に夢中」
「それでも恥ずかしいよ!!」
(でもこれは悠梓くんなりの喜びの表現だよね…
悠梓くんも私と同じクラスで喜んでくれてるんだ…)
そう思うと、悠梓くんを押し返すことができないのだった。