声をくれた君に
先日、私と悠梓くんは、無事2年間の専門学校を卒業した。
オーディションに受かった私は、着々とデビューに向けて準備を進めている。
そんな中で、今日は一日オフの日。
悠梓くんとおうちでまったりしていた。
「最近、あんた忙しそうだな」
「確かに…
でも嬉しい忙しさだよ」
「そうだな。
あんたがテレビに映るの、楽しみ」
「ふふっ、そんな日が来るかな」
「当たり前だ。
あんたの歌が人気にならないわけがない」
「ありがとう。
悠梓くんがそう言ってくれると、ほんとにそうなっちゃう気がするよ」
私は悠梓くんに甘えるように、ぎゅーっと抱きついた。
「コラ、甘えんぼ」
「だって、なんかこうしたい気分だったから。
悠梓くんはこういうことされるの嫌?」
「うん」
「えっ?!」
私は慌ててバッと悠梓くんから離れた。
「はぁ、いつになったらあんたは
ジョーダンが通じるようになるんだ?」
「え、冗談だったの?!」