声をくれた君に
「あのな、口で謝って許されるわけねーだろ!
いきなり態度変えやがって…
あんたら、こいつがやられたこと、全部覚えてるか?
机は隠されてるし、教科書は捨てられるし、頭から水をかけられる、真冬に。
体育だって片付け押し付けられて、その上倉庫にまで閉じ込められた。
こいつは死にかけて1日半も眠ってたんだぞ?
それ知ってて言ってんのかよ!」
悠梓くんは見たこともないような形相でみんなに怒鳴りつけた。
(ううん、見たことある。
倉庫に助けに来てくれた時と同じだ…)
「そうだよね、ごめん…」
「だからそのごめんは意味ねーって言ってんだよ!」
「うん…」
確かに謝られたからって、今までのこと全部笑って済ませることはできない。
事実はずっとずっと変わらない。
それでも
「悠梓くん…」
「けど、けどこいつは
それでもあんたらのこと許してしまうんだよ…」
(そうだ、悠梓くんは全部知ってるんだ
私が考えてることなんてお見通しなんだ…)