半歩前の好き
半歩前の好き
覚醒shyness
「守ぅうううう‼︎」
俺の部屋の扉がバターンッとえらく派手な音をたてて開く。
あ、こらお前。
今、振動で昔の皆勤賞の賞状が落ちたぞ。
俺の唯一の自慢になりそうなものを、雑に扱うなよな。
ベッドの上で目をゆっくりと、さっきまでよりは開ける。
だがしかし、糸目状態は変わらない。
眉間にだって皺もよる。
目覚め最悪だよ畜生。
「あー、まだ寝てたわけ⁈
はやく起きてはやくはやく。
ラジオ体操間に合わないよーっ」
「休む」
「そんなこと言わないの! ね、起きて‼︎」
「うるさいなー。
俺は''てーけつあつ''なの」
「守、小6なのにそんなむっずかしー言葉よく知ってんね」
いや、これくらい普通ってか、あ、無理。
だめだこれまた寝るうんおやすみ。
力を抜いて、顔が枕に沈む。
……なんてことはさせてもらえず、パチン。
両頬からまた派手な音。
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