半歩前の好き
目の前にはむすっとした無造作ボブの俺の幼馴染────千夏。
ベッドに乗りかかって、ギシッと音がする。
これ古いんだからなー、やめろよなー。
そして、彼女の胸もと切り替えのタンクトップの裾がひらり。
揺れて見える、白くて引き締まった……、
「ちちち、千夏! 腹見えてる腹‼︎」
俺は、飛び起きてタンクトップを押さえた。
これ下手したら、その、上までめくれるというかなんというか!
「あはっ、守ってば焦りすぎー。
おなかくらい平気じゃん」
「もうお前、女子やめれば⁉︎」
「んー、じゃあそうしよっかなー」
「え、」
困る。
浮かんだ言葉にカーッとあつくなって。
ジリジリ、じわじわ。
色んな熱が集まる。
「〜〜もう! 着替えるから出てけ‼︎」
「お、やっとかー。急いでねー」
ポフン、と千夏がベッドから降りた勢いで俺はひとり揺れた。