半歩前の好き

単純important












「よーっし帰るぞー!
そんでアイスだやったー!」



帰り道を歩きながら千夏は元気いっぱい。

オレンジ色のオーラが眩しい。

目に痛い。



「パッキンアイスってことはソーダじゃん!」



棒付きのソーダアイス。

それは横に繋がっていて、間にくぼみがあるから、そこからふたつに割るんだ。

まぁ、味は普通だな。



「あたし、アイスはソーダが一番好きー。ソーダは夏って感じだよね!」

「そうだな」



空きっ腹にアイスを食わされる俺の気持ちはドコデスカ。



「あれ、守?」

「……あー、ともや」



ともや。

クラスメート。

冷やかしが趣味。

そんな感じの男子。



つまり、面倒い。



「また千夏といんの?
お前ら仲よすぎだろー」



にやにや、にまにま。

気持ち悪い顔。



「やっぱさー、ふたりってできてんの? クラスでも一緒にいること多いしなー」

「でき……っ、ばばばばっかじゃねぇの⁈」



大きな声をあげた俺の肩にポンッと手を置いたのは……まさかの千夏。



「まぁまぁ、落ち着きたまえ、守くん」



お前誰だよ。






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