半歩前の好き
足踏みconfession
*
あのともやを丸めこんでしまった千夏と肩を並べて歩く。
ある意味こいつ恐ろしいな。
チラリと目をやって、そっと視線を外す。
この間数秒。
チラ見なんて慣れたもんだよくそ!
いつだってマイペース。
いつだってハイテンション。
いつだって一直線な、俺の幼馴染。
この夏は、なにか変わるかな。
「できてんの」って訊かれて、「うん」って答えられる関係になれるかな。
俺は……そうなりたいよ、千夏。
ずっと振り回されてきて、しょっちゅうムカついて、こいつ一回しばきたいとか思わない日はないけど。
それでも結局、千夏の言葉が。考えが。優しさが。
好きだなぁと思うんだ。
この気持ち、大好きなキミに伝えたいから。
だからどうか、眩しい笑顔で待っていて。
「まぁ、あたしは。
パッキンアイスは''仲よし''じゃなくて、''好きな人''としか食べないけどね」
「…………は⁉︎」
fin.