おとなしくアタシに溺れなさい!
「機会があればな」


凪君はそれだけ言って、ベンチから腰をあげた。


一度もこちらを振り返らずに、公園を出る凪君。


アタシは、ただ無言でその後ろ姿を見つめていた。


男に、ホテルに置き去りにされて先に帰られることはどうってことないのにな…。


なぜだか今日は少し、胸が痛んだ――。
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