おとなしくアタシに溺れなさい!
足元はビショビショに濡れてしまって、靴が重たい。


アタシは病院の入り口で少しでも水気を落とし、そして昨日の病室へと向かった。


病室のドアは相変わらず無表情で、冷たくそこに存在しているだけだった。


アタシはそのドアをノックする。


返事はないと思っていた。


けれど…。
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