おとなしくアタシに溺れなさい!
ペコッと頭をさげると、「麻友の友達かしら?」と、小首をかしげられた。


アタシは、小さく首をふってそれを否定した。


喉の奥に詰まりそうな声を、なんとか絞り出す。


「アタシ…凪く…浦木君の、知り合いです」


『浦木』と言った瞬間、お母さんの表情が険しくなったように見えた。
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