おとなしくアタシに溺れなさい!
「若葉ぁ…アタシ、もう恋なんて…しないっ」


ぐすぐすと鼻をすすりあげながら、アタシは言う。


若葉は「はいはい」と、子供をあやすようにアタシの頭をなでる。


「綾萌にとっては、いい薬になると思ったんだけどね、浦木君は」


そういえば、若葉は最初から凪君のこと少しは知ってたんだっけ。


「でもまさか、あそこまでの過去を持ってるなんてね…」


若葉は、凪君が簡単には女の子と付き合わない。


という情報だけ、耳に入れていたらしい。
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