猟師と兎
次の日も、次の日も探しつづけた…が、とうとう見つける事は出来なかった。




それから季節が変わり…

雪の降る日に、猟師は家にこもって木彫りの動物を彫っていた。

゙コンコン…゙

という音がした気がして、猟師が玄関を開けると…

あの兎が窓の下で、ぐってりと横たわっているではないか。

あわてて猟師がかけ寄ると…兎の命は、もうすでに尽きていた。

兎の体から、森に向かって赤い跡が、雪の上につづいているのを見て、猟師は…

「ごめん…ごめんね…あんな約束しなきゃ良かった…」

と、謝りつづけるのだった。




それにしても…

どうして、兎は死にかけながらも、猟師の所に行こうとしたのだろうか…?

約束を守りたかったからだろうか…?

それとも…

兎は猟師に、恋をしていたからだろうか…?

今となっては、知るよしもない事だが…


おしまい
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