屋上共犯者。
タクトは私が何かあると、すぐに気づいてくれる。
人の気持ちに敏感な人なのかもしれない。
「ううん……なんか、階段に怖い人がいた」
タクトは驚いた顔をしている。
「え? 怖い?
それって、顔が?」
「いや、なんか……」
何が、怖かった?
「雰囲気……かな?」
こんなんじゃ、全然わからないって
自分でも思うけど。
あの恐ろしさは、言葉ではうまく説明出来なかった。
何が他の人と違うのか、はっきりと分からない。
でも、どこか絶対に他の人と違うって思った所があった。