屋上共犯者。



私は普段は自信満々な大男なのに、

さそりが出ると逃げていくのを

想像して少し笑ってしまった。


「ふふ、何かそれ面白いね」


「さそりとオリオンは天球上では180度離れた
正反対の場所にいて、

絶対同時に姿を見せないんだ。

だからこんな神話が生まれたらしいよ」


「なるほどねぇ」


確かにこんなにきれいな空を見ていると、

色々お話を思いつきそうだ。


タクトが近くに顔を寄せ、

ひときわ明るい星をしめした。


「あの星、キレイだろ?」


「う、うん」


思わずどきりとする。

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