屋上共犯者。
よける隙もなかった。
パン、とお父さんの手が私の頬を打った。
「――っ!」
まずどんな感情よりも先に驚いて、
私は叩かれた頬を自分の手で押さえる。
「お父さん! 何も叩かなくてもっ!」
お母さんがお父さんを止めようとしているのが聞こえた。
お父さんに本気で叩かれたのは、初めてだった。
私はまだ起こったことが理解しきれず
呆然として、その場に立ちつくしていた。
少し時間がたってから、
ようやくひりひりと頬が痛みだした。