屋上共犯者。



「ねぇ、君、死にたいんでしょ?」



男の笑顔が気味が悪くて、
涙が浮かぶ。


「やだ……」



男はずっと笑顔だ。


笑ってる。


なのに、私はそれが怖くて仕方ない。



だって、この人の目。



――どこか別の所を見ていて、

何も見えてないみたいだから。



男がゆっくりとこちらに近づいて来るのから逃れたくて、

私はじりじりと後ろに下がる。
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