屋上共犯者。


「ねぇ、一緒に死んであげようか?」


「……ぁ」



  怖 い  。



一歩、また一歩と後ろに追い詰められる。




分からないことだらけ。

だけど、分かったことが一つだけある。



私が、どうしてこの人を、こんなに怖いと思ったのか。


私は震えながら男を見上げる。



彼に。



生への執着が、一切ないから。



生きようとしていないって、


一目見ただけで、

分かったから。
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