屋上共犯者。


私もびっくりした。


タクトは男ににじり寄りながら、

低い声で喋りだす。


「エスパーだから、あんたの過去が分かるよ」

「なっ……」


「あんた、全然日焼けしてないね。

まるで太陽を見たことがないみたいだ。

昼夜逆転した生活でもしてるんだ?」


「……っ!」


「実際、ここ数日この建物から出てないんだろ?」


男の表情が、少しずつ追い詰められていく。


「瑞希が屋上にのぼるのを見つけて、

興味を持って追い回してたのか?

ってことは、ここの住人ではあるわけだ」
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