屋上共犯者。
「うわっ……」
男が屋上から逃げ出そうと部屋のあるフロアに
階段を降りていく。
後を追い、
タクトはさらに大きな声で叫ぶ。
「火事だーーーーーーーーーーーっ!」
そう言ったかと思うと、
いきなり近くにあった非常ベルの
透明なカバーを壊して破り
ベルに拳を思い切り叩きつけた。
ジリリリリリリ、と
けたたましい音がマンションに響き渡る。
「えっ!? えっ!?」
私が何が何だかわからず動揺していると、
タクトに腕を引っ張られた。