屋上共犯者。
私は軽く笑ってタクトに話しかける。
「いや、でも気持ち分かるよ。
タクトの目、真剣すぎたもん。
タクト、何であの人の名前分かったの?」
彼は何でもないようにあっさりタネを明かした。
「この間瑞希が変な男見たって言ってた帰り、
エレベーターのランプが
五階に止まってたの見つけただけだよ。
そんで、五階に暮らしてる人の
ポストをちょろっと拝見してね。
そしたらそれっぽいやつが、坂口だったってだけだ」
私はそれを聞いて、ほっと肩の力を抜いた。