屋上共犯者。



「そうか、びっくりした。

エスパーですとか言い出して、
色々いい当てちゃうし。

私の方が怖かったよ」


「うん」


タクトが優しく笑ってくれるのを見ると、

胸が途端にいっぱいになって。


今まで忘れていたような恐怖心が一気に蘇った。


首を締められて、

息が出来なかったこと。


あの男の、

ねばつくような気味の悪い視線。


顔にかかる、

生ぬるい息。




「怖かった……!」
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