屋上共犯者。


拓斗は言った通りに少し声を押さえ、

私を睨みつける。


「どこから入ったんだよ?」


「普通に玄関から。

それで、消灯時間になるまで人の来ない場所に隠れてたの」


病院のセキュリティは厳しいかと思ったけれど、

意外とざるだった。


何度か警備の人が巡回しただけで、

けっこう簡単に拓斗の部屋に忍び込むことが出来た。


病室の窓からは

明るい月の光が入り、

拓斗を照らしている。


やっぱり拓斗は綺麗だな、と思わず見とれてしまう。
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