屋上共犯者。


もらった拓斗はしげしげと

それを眺め、それからふっと吹き出した。


……あ。


拓斗の笑った顔、久々に見た。



それだけですごく嬉しい気持ちになってしまう。



拓斗は我慢出来なくなったようにケラケラ笑いながら、

紙をじっと見ている。


「この、おっさんの顔、ゲージュツ的すぎ。

瑞希、美術の成績悪いだろ?」


「そもそも美術は選択制だから、

最初からそんなもん選ばないよ」


「子供銀行だって今どきもっとうまくやるぜ?」


私は意地になって言い張った。
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