屋上共犯者。


泣きそうになって思わず顔を歪めると。


拓斗は私の身体を引き寄せ、優しく抱きしめた。


「……嘘だよ」


「え?」


耳元で、拓斗の声が聞こえる。

「嫌いなわけないじゃん。

嫌いな人間に、病院抜けだして

毎日会いに行ったりしないって」



どっちが本当か、分からなくて、

私は拓斗をじっと見上げる。


拓斗は少し悲しそうに笑っていた。



「好きだよ」

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