屋上共犯者。


拓斗の口から、小さな息がもれる。


「俺、そんなのばっかりだよ。

病気じゃなかったら、

あれが出来た、これが出来たって。

言い訳してばっかりだから」


私はぎゅっと手を握りしめ、

拓斗の目を見つめた。


「私、拓斗の嘘

もっと聞きたいよ」


拓斗が薄く微笑む。


「嘘限定かよ」


「だって、拓斗は全然本当のこと教えてくれないもん」


すぐ近くで、視線が重なった。

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