屋上共犯者。



大きな手のひらに、長い指。

それが私の首に当っていて、

ふわふわする。


シャンプーかな。


シトラスの、いい香りが

鼻をくすぐる。



「頑張ったね」


タクトの瞳と、手のひらと、声が、

あまりにも優しくて。



『間違ってなかったよ』


って言ってもらったみたいで、

少し泣きそうになった。


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