無口なカレとの甘い恋

「あぁ~~もうーーー!!」


あと少しだったのにぃ!!


目の前でおもちゃを取りあげられた子供のように、地団駄を踏みたくなるのを必死でこらえる。


「うるせぇな」


悶々とするこの気持ちは一体どうしたらいいんだろう。


ダメっ。気持ちを抑えられない。


ふっと意地悪な笑みを浮かべた海星君の顔が離れる。


……姫子!!勇気を出しなさい!!


自分にカツを入れると、あたしは海星君の学ランの袖をギュッと握った。


そして、一瞬ひるんだ海星君の唇に自分の唇を押し当てた。
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